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失敗しない電子ピアノの買い方

      2017/10/24

今日は電子ピアノのお話。

最近お問い合わせをいただいた方で、お家の事情からどうしてもピアノを置くことができないので、電子ピアノを購入する予定です、という方が二組いらっしゃいました。

正直、レッスンはできればご自宅にピアノのある方でお願いしたかったのですが、いやいや、そうとばかりは言えないぞ、と思うことがありました。

実は昨日イオンに行く予定があったので、ついでに電子ピアノを見せていただきました。

私の中では、電子ピアノはただ鍵盤がピアノと同じ幅で、同じ数だけある機械、というぐらいの感覚なので、価格帯も10万円程度のものを最初は触ってみました。

うん、こんなものだよね~。

次に、店員さんに最近では結構いいものも出てきてるんですよ、と紹介されたのがこちら。

YAMAHAと島村楽器がコラボして作った電子ピアノ。

白鍵の部分のみ鍵盤が木製、タッチもグランドピアノ仕様、鍵盤の戻りも他のものと比べていいですよ。

とのことでした。

ちょっと待ってよ、タッチがグランドピアノと同じものって、自分が学生時代に練習用にと買ってもらったグランタッチと同じっていうこと?

グランドピアノの形をしたコンパクトなピアノでしたが、当時価格は5、60万したと思います。

それが今は20万程度。

弾いてみると、え~、ナニコレ、今は電子ピアノってこんなになってるの?!

先ほどの10万円の電子ピアノとは雲泥の差。

子供さんが初めてピアノを習われるんだったらこれで十分だな、いやいや、結構上達しても使えるんじゃない?と思いました。

店員さん曰く、10万円台のものは、今後買い替えされることを前提でご購入いただいていますが、こちらはピアノが上達しても、電気系統がだめになるまではお使いいただけると思います。

確かに、最初見たピアノでは絶対に物足りなくなる時が来るな、と思いました。

タッチだけではなく、音の質も比べると全く違います。

このシリーズには5万円安い15万円のものもあるのですが、そちらは鍵盤がすべてプラスティックで軽い。

そして、音がこもったように聞こえます。

それだったら10万円のものとかわらない、という感じでした。

あまりにも昔と違うので、自分でも少し詳しく電子ピアノを調べてみました。

メーカーについて

電子ピアノには実はたくさんのメーカーがあります。

YAMAHA

メーカーの中では一番よく知られています。音源はヤマハ最高峰のグランドピアノの音を収録。商品によっては、グランドピアノのタッチを忠実に再現しているものもある。

KAWAI

意外ですが(私だけ?)、海外でも人気がある国産メーカー。白鍵だけが木製、というYAMAHAに比べて、黒鍵も木製にしている。タッチにも重みがある。

Roland

電子ピアノでは一番長い歴史がある、電子楽器専門のメーカー。立体音響も手掛けている会社なので、小さい音、ヘッドホンで聞いた時の音の立体感、強弱変化に強い。

CASIO

とにかく価格帯が魅力。そして、デザインもコンパクト。キーボードでは物足りないけれどそれほど本格的ではなくても、という方にはちょうど良い。

KORG

リーズナブルな価格のものが充実していて、趣味の方にはピッタリ。モダンでおしゃれなデザインも魅力。

個人的な意見として

個人的にはYAMAHAのメーカーが好きです。

やはり愛着があるというか、信頼が持てるというか・・・。

電子ピアノは電化製品と同じ。

10年たったらおそらく電気系統が悪くなると思われます。

ただ、自分が実際にYAMAHAのグランタッチを22年使用していたのですが、電気系統はおかしくはなりませんでした。

ただ常に通電しておく必要はありますよ(頻繁にスイッチを入れること)。

要するに、毎日練習してね、ということです。

そうそう、電気を鍵盤に伝えるコードの接着が取れて修理、ということになったことはありますが、費用は2万円程度。

対応もすぐにしていただきました。

現在はほとんど使うことがないので、他の教室の先生のところにお譲りしました(もちろん無償です)。

きっとまだ使っていただけてるのではないでしょうか。

他は購入したことがないのでわかりませんが、10年でダメになる、ということはないのではないでしょうか(あくまでも個人的意見です)。

価格

5万円代からあります。

ただ、5万円のものは、88鍵そろっているぐらいで、まったくお勧めできません。本当に趣味程度で弾かれる方用。

10万円台になると、初歩の方のレッスンは可能ですが、ブルグミュラーなどになってくると、弾いている本人が物足りなくなってきます。

15万円クラスになってくるとメーカーによっては木製鍵盤だったりもしますが、音質は期待できません。

20万円クラスのものになると、かなり満足のいくものになってきます。

コンクールを目指す、音大に行きたい!という希望がないのであれば十分だと思います。

これより上の価格帯は、もっと音を追求したい方にお勧め。

生ピアノは欲しいけれど、どうしてもピアノが置けない方用という感じです。

買う際には、必ず試弾をしてから

インターネットで安く買うこともできますが、その場合でも必ず同じ機種のものを実際にお店で弾いてみること。

詳しい方に説明してもらおう

できれば店員さんに詳しく説明をていただくこと(検討しているが、即決するつもりはないし、先生に相談してから決めますなどと、すぐには買わない旨をしっかり伝えておきましょう)

それぞれの違いや、メリットはもちろん、カタログには載っていないようなデメリットを教えてくれることも。

電子ピアノ専門の方か、せめて副店長クラス以上のよくわかる方に説明していただきましょう。

たくさん触ってみよう

そして、なるべくたくさんの種類を弾いてみる。

素人で何もわからないという方でも、何が違うかを意識しながら弾いてみましょう。

ドミソ、と和音を弾いてみる、強く(弱く)弾いてみる、色々な音の高さを弾いてみる。

(色々なことをするのではなくて、ドミソを弾くのならば、すべての楽器でドミソだけを弾いてみる。そうすることでそれぞれの楽器の違いが見えてくるはず)

置く場所・弾く時間をイメージしよう

それから、自宅のどこに置いて、練習時間は何時頃?というのも考えて試弾しましょう。

お店ではボリュームを大きくされがち。

いくら何でもそんな大きさではお家で練習できません。

小さい音でも強弱変化はつけられるかも確認しましょう。

ヘッドホンを使って練習することが多いのならば、ヘッドホンを借りましょう。

座って弾きましょう

練習は基本座ってします。

立って弾くのとは音の聞こえ方が違いますよ。

購入するところによって保障・サービスが違う

購入する方法によって保障・サービス・金額(送料)が違います。

いくら価格が安くても、保証がなければいざ壊れた時に高い修理費が必要になってきます。

逆に、現金値引きはなくても、楽譜一冊サービスしてくれたり、保証がしっかりあったり、送料がかからなかったりというメリットがあることもあります。

どちらがお得かよく考えましょう。

参考までに

練習する時間が夜遅くになってしまって、生ピアノはあるけれど、練習ができないから電子ピアノを検討している、という方には、サイレンス機能をお勧めします。

ピアノの音が消せるのです。

生ピアノに機械を取り付けるだけで音を出さずに練習することができます。

いってみれば電子ピアノに変身させるというわけです。

私のグランドピアノにもつけていただいています。

これはあると便利です。

あと付けもできるので、夜練習をされたい方は検討するのもいいかもしれませんね。

こちらも価格は幅広く、8万円前後からあるようです。

電子ピアノを選ぶうえで一番大切なのは

そして、購入の際に一番考える必要があるのは、電子ピアノを購入する目的。

・わが子が初歩でピアノをはじめる、できれば名曲というものを弾けるようになるまでは続けてほしい

・昔ピアノを習っていたけれど、また趣味程度で始めてみたい

・キーボードで弾いていたけれど満足がいかなくなった

・教員・保育士の資格を取りたいからどうしてもピアノが必要

など。

趣味程度に高額なピアノを買う必要もありませんね。

逆に、本格的に習わせたいのに5万円程度のものですと、親子でやる気が失せてしまうでしょう。

高いお金を出すほど、何とか物にさせようと一生懸命に取り組むのも事実です。

趣味程度、と思っていたのだけれど・・・

当教室にレッスンにいらっしゃっている大人の方で、最初は安くて古い電子ピアノで練習されていらっしゃったのですが、だんだん曲が難しくなってくると、やはり物足りなくなり、ご主人の了解を得て中古のピアノをご購入されました。

「先生、やっぱり生のピアノは全然おとがちがうわ~!」とますます練習にも力が入られるようになりました。

お陰でますますピアノの腕を上げていらっしゃいます。

ご本人も私も、当初は、まさかピアノを購入するとは思っていなかったのですが、それだけ本気になってくださっているということで、嬉しい誤算となりました。

 

お子さんが初めて習う場合はできるだけ生ピアノに近いものを

とはいっても、この子には趣味程度でいいし、どうせ辞めさせるから安くてもいいわ、という考え方はダメです。

それならば習わないほうが良いでしょう。

ピアノは中途半端にやめてしまっては全くのゼロになってしまいます。

身に覚えはありませんか?

「黄バイエルまで行ったのに、今は音符も読めません。」

こんなお母さんはたくさんいらっしゃいます(笑)

習われるのでしたら、ある程度曲が弾けるようになるまで腰を据えてやる!というぐらいの思いが必要です。

そうなると、やはり何事も最初が肝心。

基本をマスターする時期に、ペコペコの鍵盤で練習されるのはお勧めできません。

まとめ

もし、ピアノを習いたいのだけれど自宅にはピアノがない、という方は初期費用が結構掛かります。

生ピアノなら、本体だけでも新しいものは安くて60万円ほどします。

中古でもそこそこするほか、床の補強もしなくてはならないかもしれません。

ご近所が気になる方でしたら防音も(めったにされる方はいらっしゃいませんが)。

それを考えると、現在の電子ピアノなら、こちらの指示もちゃんと練習できるな、と思いました。

ただし、安易に買うのではなく、ご家庭の事情や、ピアノを習う目的などをよく先生にお話しして、両者が納得したうえで購入しましょう。

そうそう、中には電子ピアノではレッスンは致しません、という先生もいらっしゃいますので、先生に電子ピアノでもレッスンをしていただけるかどうか確認はしておくことをお勧めします。

ご家族でしっかり検討して、納得いくお買い物をしてください。

 

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